≪家庭菜園≫プロが選ぶ!玉ねぎ苗の選び方!

家庭菜園

本当に良いたまねぎ苗って皆さん分かりますか?

私は、たまねぎ苗の生産&卸し&販売をしております。その知識をもとに、本当に良いたまねぎ苗の情報をお伝えしたいと思います。

たまねぎ苗を植え付ける頃に種苗店やホームセンターに行って買いますよね。

でも、その玉ねぎ苗って良い苗ですか?

「これは大きくて立派なたまねぎ苗だよ」と言われる方もおられますが、大きくて立派な苗が良い苗とは限りません。どちらかと言うとそうでない場合の方が多い気がします。

昔は、細くて捨てるような苗を買いに来られるお客さんもおられました。今は、ごく一部の方のみになりました。

私はプロの育苗家の立場から、本当に良い苗の知識を皆さんに知ってもらいたいと思いこの記事を書こうと思います。

この記事を読み終わる頃には、「このたまねぎ苗は良い苗だ」と言うのが分かるようになると思いますので長文ですがお付き合いください。

たまねぎの種類を知ろう

たまねぎの種を販売しているメーカーもたくさんあります。その為種類もたくさんあります。

メーカーでいえば、タキイ、サカタ、トーホク、カネコ、タカヤマ等があります。それ以外にもあるかもしれませんが、私が扱っている品種は上記のメーカーです。

種類は、大雑把に【超極早生】【極早生】【早生】【中生】【赤】【晩生】です。

種類ごと、品種ごとに播種時期は違います。

一昔前は、【早生】【中生】【赤】【晩生】でした。今は種類が増えたものです。

余談ですが、私が取り扱いを最初に始めた極早生品種は、カネコの浜育です。たまねぎに詳しい読者さんの中には、「浜育は早生じゃないの」と思われるかもしれませんが、最初は極早生だったんですよ。

今は、早生系になっております。このように昔は極早生で今は早生と言う品種もあります。いろいろな都合でこうなったんでしょう。

さて、次に種類ごとの播種期に行きます。

たまねぎの播種期

品種毎に本当に違うので必ず小袋なら裏面をよく見て、最適な播種期に蒔くようにしましょう。

播種期は、上旬とか10日~15日とか色々書かれていますが、一番遅い播種期に合わせると失敗が少ないと思います。

では、種類ごとに大雑把に説明します。現在は、超極早生の中に8月中旬に蒔ける品種も存在しますが、今は省きます。

私の住んでいる地域が四国の中間地ですので、その基準で書いていきます。予めご了承ください。

また、種類の横に参考品種を載せておきます。

【超極早生】(浜笑)9月5日~15日頃

【極早生】(貴錦)9月10日~20日頃

【早生】(ソニック)9月20日~9月30日頃 ※早生に関してはメーカー毎に開きがあります。

【中生】(甘70)9月30日~10月15日

【晩生】(もみじ3号)10月1日以降 ※昔は9月28日播種でしたが、今は10月に入ってから蒔く方が良いです。

【赤】に関しては、超極早生~中晩成まで様々な品種がありますので、その種類ごとに蒔く時期を調整します。中晩成の赤たまねぎであれば、9月30日以降に蒔けば大丈夫です。

たまねぎの植え付け時期(お店で買う時期)

たまねぎの植え付け時期ですが、播種後約50~60日の苗を植えるとよいと言われますが、参考程度で良いと思います。早すぎるのは良くないので最低でも50日以降の苗を植えるようにしましょう。

大体の植え付け時期を書いておきます。

【超極早生】10月25日以降。11月5日前後が適期。

【極早生】10月30日以降。11月10日前後が適期。

【早生】11月10日以降。11月15日前後が適期。

【中生】11月20日以降。中生は品種により11月25日前後と年明けが適期となる品種がある。

【晩生】11月25日以降。理想は、12月10日以降1月下旬位まで。

※昨年は特に11月上旬の気温が異状に高温でした。その為、その時期に晩生のたまねぎを植え付けした人は年内に立派に育ってしまったと思われます。そうなるとトウ立ちの原因になります。晩生に関しては出来るだけ遅く植える方が家庭菜園では失敗が少ないです。私の知り合いにプロのたまねぎ農家さんがおられますが、その方は中生晩生は1月に植え付けをします。参考までに書いておきます。

元肥と追肥について

最近は昔と違って気温が高い傾向にあります。

気温が低ければ、元肥主体で問題ないのですが、気温が高いと元肥主体では植え付け時に枯れてしまったり、想定以上に成長が進んだりとなかなか管理が難しくなります。

現在の状況に合わせれば、元肥半分、後は追肥で1ヶ月に1回、2月中旬を最後の追肥にするよう管理すればよいと思われます。

これは苗全般に言えることで、この方が管理がしやすいのです。

どんな苗を買えばよいの

先に説明した種類ごとの適期に1本の太さが5㎜位までの苗なら安全だと思います。

適期より早く買う場合は細い苗を、適期より遅く買う場合でもあまり太くない苗を買うと良いです。

基本、細い苗は安全です。ただ、細すぎる苗は植え付け後に上手く育たないケースもあります。ですから3㎜程度は最低あれば良いかなぁと思います。

太すぎる苗には気を付けてください。

ただ、適期を大きく過ぎた種類のものに関しては、1㎝位になってても問題ない場合もあります。

あくまでも、適期を過ぎた苗で、適期にそんな苗を買ったらたまねぎが出来る年もあるかもしれませんが、出来ない確率が高いと思います。その点だけご注意ください。

晩生のたまねぎのトウ立ちについて

これに関しては、

  1. 植え付けが早すぎる。
  2. 播種時期を間違えている。
  3. 肥料切れを起こしている(どこかで乾燥しすぎている)

90%以上の確率で上記3点のどれかに当てはまります。

また、トウ立ちしなくても吊りたまねぎですぐに腐るという方も同じです。

【対策】としては、

上記の問題は、中生晩生の品種で見られる傾向ですので、植え付け時期を遅らせるとよいです。

2週間以上植え付け時期を遅らせると改善されると思います。それでもダメなら、更に遅らせます。

まとめ

以上書いてきたことを踏まえて、適切な苗を植え付けるようにしましょう。

最近は、売り逃げをしている業者さんも実際にいます。自分で知識をつけて、そういう苗を買わない様に気を付けましょう。

大事なことは、立派な苗ではなくてモノが出来る苗です。

他の苗についても、育苗のプロの立場から本当に良い苗の見分け方を書いていきたいと思います。

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