はじめに
春苗を植え付ける時期がやってきました。
と言っても、私が住む地域は、まだまだ寒さが残っておりますので、もう少し先が植え付けの時期となりそうです。
目安として、最低温度10℃を超えるようになってから植え付けを行うと、覆いをする必要もないので手間がかからず、楽ができると思います。
私の住む地域の今の気温は、朝は5℃前後、昼は20℃越えと苗を育てるのには厳しい環境となっております。
ビニールでトンネルをする方は、昼間は空けるように心がけましょう。そうでないと、焼けてしまいますよ。
という事で、本題に入ります。
育苗は、私の専門ですので、日頃からお客様から質問を受けます。
その中で、苗を植えたけれど枯れてしまった、という質問は多々あります。
本日は、これについて話していこうと思います。
苗の枯れる原因
主に、3つあります。
1.元肥のやりすぎ
2.水のやりすぎ
3.その他
1.元肥のやり過ぎ
苗が枯れる原因の80%以上はこれでないかと思うほどです。
特に、窒素を多量に含む肥料を施し、すぐに植え付けた場合は即枯れます。
2週間程度でもたぶん枯れると思います。
1ヵ月おいても、危険信号です。なぜなら、窒素過多は非常に問題が多いからです。
窒素が適度に含む肥料であっても、すぐに植え付けるのはご法度です。
最低、1ヵ月は寝かしておきましょう。
対策としては、肥料をやり過ぎる癖のある方は、思い切って肥料をやらない選択肢をしましょう。
これで枯れることはありません。
植え付け後、2週間後くらいから、苗の根元から30㎝以上離して肥料を上からやりましょう。
これでOKです。この方法が一番失敗が少ない方法だと思われます。
ただ、温度が低い時の植え付けでは、多少窒素過多でも枯れる可能性は低いです。
なぜなら、温度が低いと肥料は効き難いからです。
今年の春は、温度変化が激しく育成には厳しい状況であります。昼間の温度が高いので、やはり元肥は少なめにしておく方が安全です。
2.水のやり過ぎ
水のやり過ぎも枯れる原因の一つです。
こちらは、温度の高い昼間に大量の水をかけることで、根を痛めて、その結果枯れる事が多いと思われます。
対策としては、昼間に水かけをしない。
どうしてもしたい場合は、葉水程度にしましょう。
これだけで水のやり過ぎで枯れる事はなくなると思います。
その他の原因
上記2つの原因でほぼ90%以上をカバーしていると思いますが、その他の原因としまして、
害虫等が病原菌を運んでくることも考えられます。
この対策は、定期的に殺菌剤を使うことをお勧めします。
農薬の適度な使用は、特に問題はありませんので気にしなくてOKです。
ただ、適切に使わない場合はこの限りではありません。
お勧めの殺菌剤は、ダコニール1000です。予防にはこれが一番です。使用回数が多いのもお勧めする理由の一つです。
害虫に対しては、害虫によって殺虫剤が異なりますが、
春苗に関して言えば、アブラムシが一番多いのではないでしょうか。
私が使うアブラムシ対策の農薬としては、
アクタラとウララDFです。
どちらも強力なアブラムシ撃退の切り札的農薬ではありますが、正しく使うと効果はあります。
ただ、ウララDFは少しお高いので、アクタラを試してみると良いと思います。
まとめ
野菜の育成は、子供の成長と同じです。
赤ちゃんのうちは離乳食で、大きくなるにつれて食べる量も多くなりますよね。
同じように、野菜の育成でも、苗が小さいうちは肥料を少なく、大きく成長して花芽が付きだしたら肥料を増やしていく。
こうする事で、失敗なく野菜を収穫できると思います。
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